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森のフォーラム

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Re:短編小説
虎縞
[ID:tigerhalfowl]
【幸福の画家―或る画家その二】

 画家の絵は檸檬色の光で満ちている。そこが少女の部屋であれ、アルコールで染まる娼館であれ。その光は豊かな幸福の香りがする。全てを優しく包み込む、太陽の柔らかな筆致。
 画家の絵はブルーが大胆に潜む。天空の欠片を砕いたその青の面積で、画家が豊かな生活をしていたのだと物語る。かつて聖母にしか使われないブルーを少女を彩るのに使った画家。
 画家は寡作である。絵を描かずとも暮らして行けたのである。時に絵の鑑定士として、時にギルドの理事長として。そうであるので、画家が永い眠りについた後、画家の残した絵は歴史に飲まれ、画家がそうしているように作品も眠りにつくようになる。ただでさえ寡作であった画家の絵は、歴史に飲まれ溶かされ咀嚼され、その数を減らした。
 画家が眠りにつき幾百年過ぎた時、動乱の世に拾い上げられたのは、画家の絵が静かな檸檬色で満ちていたからである。画面に満ちる幸福なその色、そして冴えたブルー。動乱の時代に画家の豊かな幸福は、人に再び求められる事となる。
 檸檬色の幸福を描き出した画家の名前はフェルメール。オランダ人である。



……………

美術への招待、【或る画家】その二。今回はフェルメールでした。前回の画家は虎縞が大好きなアングルです。虎縞はアングルの絵と結婚したい(笑)
最近フェルメールなんて絵画好きにしては平凡な画家にひどく惹かれまして。あまりにその画面が幸福で泣きそうになる。フェルメールは幸福を描き出す。これを読んだ人がフェルメールを見て幸せになりますように。そんな祈りを込めて、美術への招待を。

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