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森のフォーラム

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Re:短編小説
りお
[ID:bell4724]
久々に参加。
………………


可愛い可愛い僕だけの彼女。
大好きで守りたくて触れていたくて、忙しく洗濯物を畳む細い体を抱きしめた。ぎゅう。子供じみた音と共に、彼女は小さく悲鳴を上げる。高いその声に何だか嬉しくなって、シトラスの香りの髪に頬を擦り寄せた。あんまり可愛いから極力優しさを込めて背中を撫でると、掌に何か固い感触。驚いて頭一つ分下にある彼女の顔を覗き込むと、彼女はほろほろと泣いていた。

「私、天使なの」

泣きわめく彼女に圧倒されながらも再度強く引き寄せ、さてこれからどうしたものかと考えを巡らせる。真偽は分からないが、例えば彼女が天使だとして僕は一体何をすればよいのだろうか。どこかの機関に売り飛ばす? 馬鹿な、彼女がいなければ死んでしまう僕にそんなことできるものか。しかし、困った。
ひっく。嗚咽を零して彼女が僕の胸を押す。そのあまりの弱々しさに切なくなってきたが、彼女に反発する気など毛頭ない。大人しく体を少し離すと、泣き腫らして赤に染まった目元が見えた。ああ、苦しい。彼女が泣いている。それだけで僕はこんなにも苦しい。

「見ていてね」

呟きが耳に届いた。と思った途端、彼女は上着を脱ぎだす。何をやっているんだ、確かに僕たちは付き合ってはいるけれどそういうことはまだしないでおこうと約束したし、いや、これは彼女なりのお誘いだったのではないか云々。もちろん想像したようなことはなく、上半身を守るのが下着のみになった彼女が微笑んだところで何を見てほしいと言ったのかようやく理解した。
雪のように真っ白で綿菓子のようにふわふわな何かが彼女の背中から生えている。昔どこかの美術館で見た、何かの教科書に載っていた、幻みたいな羽。僕が両手を広げたよりも大きなそれらは、はたはたと申し訳なさそうに揺れている。

「……綺麗だ」

思わず流れた言葉を聞いて彼女はまた涙を流した。そして未だ唖然とする僕に、軽くキスをしたのだった。


………………
最近改行が億劫です。
ありがとうございました。

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